本記事では、工事担任者 総合通信のうち、2024年第2回電気通信技術の基礎問2の解説を行います。
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第2問
(1)
問題
解説
解:5
n型半導体に関する設問です。
半導体は、「真性半導体」「n型半導体」「p型半導体」に分けられます。
真性半導体は、不純物を含まない純粋な半導体のことを指します。
一般に真性半導体は、IV族のシリコン単結晶やゲルマニウム単結晶で構成されます。
ここで、IV族とは、最外殻電子が4つの原子を指します。例えば、「Ⅲ族であれば最外殻電子が3つのもの、Ⅴ族であれば最外殻電子が5つのもの」です。
真性半導体は、電気伝導率が低いため、実用上、とても使いにくいものです。
そこで実用上、使いやすいものにするために真性半導体に不純物を混ぜて、電気伝導率を高める手法が採用されています。
混ぜ合わせる不純物は、Ⅲ族の原子であるホウ素やガリウム、Ⅴ族の原子であるリンやヒ素を混ぜ合わせます。
Ⅲ族を混ぜ合わせたものをp型半導体と呼び、V族を混ぜ合わせたものをn型半導体と呼びます。
(2)
問題
解説
解:3
まず、設問で与えられている値を図に落とし込みます。
問われている\(R_B\)[Ω]を求めるためには、\(R_B\)に加わる電圧\(V_B\)[V]と\(I_B\)[A]が分かれば解けます。
まずは、\(I_B\)[A]を求めます。
\(I_B\)を求めるためには、\(h_fe\)を理解する必要があります。
\(h_fe\)とは、「直流電流増幅率」といい、\(I_B\)に対する\(I_C\)の比率を意味します。すなわち、以下の式です。
\(\displaystyle h_fe=\frac{I_C}{I_B}\)
これより\(I_B\)を求めると、
\(\displaystyle I_B=\frac{I_C}{h_fe}\)
\(\displaystyle I_B=\frac{{2}\times{10^{-3}}}{100}\)
\(=20\times{10^{-6}}\) [A]
次に\(R_C\)に流れる電流\(I_{RC}\)を求めます。
\(I_{RC}\)は\(I_B\)と\(I_C\)を合わせたものなので、
\(I_{RC}=I_B+I_C\)
\(=20\times{10^{-6}}+2\times{10^{-3}}\)
\(=2.02\times{10^{-3}}\) [A]
次に\(V_B\)[V]を求めます。
\(V_B\)[V]は、\(V_CC\)[V]から各電圧降下を引いた後の残り分です。\(R_C\)での電圧降下を\(V_C\)[V]とすると、
\(V_B=V_{CC}-V_C-V_{BE}\)
\(=12-6.06-0.64\)
\(=5.30 \)[V]
最後に\(V_B\)を\(I_B\)で除することで\(R_B\)[Ω]を求めることが出来ます。
\(\displaystyle R_B=\frac{V_B}{I_B}\)
\(\displaystyle =\frac{5.30}{20\times{10^6}}\)
\(=265\) [Ω]
(3)
問題
解説
解:1
コンデンサの特性を理解する必要があります。
今回の問は、「ノイズ除去」について、問われています。
コンデンサのノイズ除去は、コンデンサの特性である「絶縁体を挟んでいるため、電気を通さない」という特性が関係します。
直流電流は時間が経過しても一方向であるため、充電が行われます。コンデンサは構造上、絶縁体があるため直流電流を通しません。一方、交流電流は時間の経過で電流が行ったり来たりする(充放電を繰り返す)ので、回路に電流が流れます。
すなわち、直流電流は遮断し、交流電流のみを通過させることができる素子と言えます。
(4)
問題
解説
解:1
電界効果トランジスタは、電圧制御型と呼ばれ、電圧の大小で電流の通り道の大小を制御するものです。その通り道をチャンネルと呼びます。
電界効果トランジスタは、チャンネルの制御方式で大きく2つに別れます。
- エンハンス型
- デプレション型
エンハンスメント型は、電圧がON=電流がONとなるものです。
逆にデプレッション型は、電圧ON=電流OFFとなるものです。
つまり、Aは正しいのですが、Bについては誤りです。
(5)
問題
解説
解:5
バイポーラトランジスタの設置方式による特性の違いを利用した用途を問う問題です。
各設置回路の特性は以下の通りです。
ベース接地 | エミッタ接地 | コレクタ接地 | |
入力インピーダンス | 低 | 低 | 高 |
出力インピーダンス | 高 | 高 | 低 |
電圧利得 | 大 | 大 | 1 |
電流利得 | 1 | 大 | 大 |
電力利得 | 小 | 大 | 小 |
入出力位相 | 同相 | 逆相 | 同相 |
周波数特性 | 良 | 悪 | 良 |
インピーダンスが不整合だと、電流の反射が発生しノイズ源となり通信品質を低下させます。それを防ぐために、コレクタ接地回路を間に設け、インピーダンス整合を図ります。
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